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【サイバー攻撃とは?】タイムズ、京王、GMO…相次ぐ被害の正体(前編)

HAKONIWA Lab

2026/10/8 13:42

サイバー攻撃とは?
タイムズ・京王・GMOの事例を5分解説

車の中から、AIのニュースをみている。

「"サイバー攻撃"のニュース、最近、ちょっと多すぎない?」

そう感じている方も多いのではないでしょうか。

2026年9月16日から10月5日までの約3週間で、情報漏えい(そのおそれを含む)を公表した国内の企業・組織は21にのぼります。

カーシェアの「タイムズカー」では約660万件の会員情報が取得され、京王グループの一部のお店ではカード払いが止まりました。10月には「焼肉きんぐ」のアプリで約1,079万件、GMOインターネットグループの会社で最大約95万件の漏えいも公表されています。

実はいま、サイバー攻撃は"どこか遠くのIT企業の話"ではなくなっています。毎日使うお店やアプリの会社が、静かに、次々と狙われているんです。

「でも、狙われるのは大企業でしょ」と思うかもしれません。ただ、2026年上半期に警察へ報告されたランサムウェア(データを人質にとる攻撃)の被害は、半期で過去最多の123件。そのうち6割超は中小企業でした。

サイバー攻撃は、ハッカーの魔法ではありません。
"戸締まりのすき"を突く空き巣です。

この記事では、2026年8月から10月に国内で相次いだ事例をたどりながら、「ランサムウェア」や「不正アクセス」を空き巣に例えて、専門用語なしで解説します。

約5分後、読み終わるころには、自分の言葉で周りの人にも説明できるはずです。

サイバー攻撃は、空き巣に置き換えると一気に分かりやすくなります。泥棒が入ってくる入り口は、たいてい3つ。"古いままの勝手口"、"盗まれた合鍵"、そして"宅配業者を装ったニセの訪問者"です。

1. 2026年8〜10月、国内で何が起きたのか

まずは、この3か月ほどのあいだに国内で公表された主な事例を、ざっと並べてみます。

公表

企業・サービス

起きたこと

被害の形

2026年8月

REXT(WonderGOO、新星堂、JEANS MATEなど)

一部店舗の休業、キャッシュレス決済の制限

止まる

2026年9月

両毛システムズ
(システム開発の委託先)

委託元のガス会社や市の情報が漏えいした可能性

広がる

2026年9月

タイムズカー
(パーク24グループ)

会員情報約660万件、免許証画像など約160万件

漏れる

2026年9月

京王グループ

一部店舗の決済・ポイント、ホテル予約が停止

止まる

2026年9月

手間いらず
(宿泊予約の管理システム)

宿泊予約客にニセのメッセージ

広がる

2026年10月

焼肉きんぐ(公式アプリ)

会員情報約1,079万件

漏れる

2026年10月

GMOリサーチ&AI
(アンケートサイト「infoQ」)

最大約95万件、ポイントの不正交換

漏れる

※各社の公表内容をもとにHAKONIWA Labが整理(2026年10月8日時点)

表の右端を見ると、被害の形は"止まる""漏れる""広がる"の3つに分けられます。

小売、カーシェア、鉄道グループ、ガス会社と市、宿泊予約、飲食チェーン、アンケートサイト。業種も会社の大きさも、まったくばらばらです。しかも、ここに並べたのはほんの一部です。

それでも、共通していることが1つあります。どの会社も、"どこかの入り口"から泥棒に入られているということです。

同じ時期には、設定ミスによる漏えいもいくつか公表されていますが、この記事では外から入られたケースに絞って見ていきます。被害の形の話は第3章に回して、まずは泥棒がどこから入ってくるのかを見ておきましょう。


2. サイバー攻撃の正体は"空き巣"。

入り口は3つ

スポットライトが当たるステージに3つのドアが横一列に並び、その前で怪盗が腕組みして「どれにしようか」と楽しそうに迷っている。左は蝶番が外れかけた古い勝手口、中央は鍵穴に合鍵が刺さったままの玄関、右はインターホン付きのドア

「ハッカーが黒い画面に高度なコードを打ち込んで防壁を突破していく」。

そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

実際の攻撃は、もっと地味です。

警察庁の観測では、2026年上半期、弱点を探す不審なアクセスが1日・1IPアドレスあたり13,687件。前年同期より50.7%増えました。泥棒が家々のドアノブを、片っ端から回しているようなものです。

入り口①:古いままの勝手口(ソフトや機器の弱点)

更新されていないソフトや機器に残る弱点(脆弱性)です。
GMOリサーチ&AIは、ここを突かれました。

入り口②:盗まれた合鍵(ID・パスワード)

漏れたIDやパスワードで、"本人として"正面から入られます。
両毛システムズは、VPNのアカウントを悪用されました。

入り口③:ニセの訪問者(フィッシング)

本物そっくりのメールやSMSで、自分からドアを開けさせる手口です。9月には、予約情報を使ったニセのメッセージが宿泊客に届きました。

ランサムウェアの侵入経路で最も多いのは、VPN機器(社外から社内に入る通用口)です。なお、タイムズカーと焼肉きんぐの侵入経路は、10月8日時点で公表されていません。

💡 攻撃する側も、AIを使い始めています。 IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織向けの3位に初めて入りました。国内でも、生成AIで作られたとされるプログラムで、会員情報が大量に取得された疑いの事件が起きています。

では、泥棒に入られた会社では、何が起きるのでしょうか。


3. 入られた会社に起きること

止まる・漏れる・広がる

画面を3つのコマに区切る。左は鎖を巻いた大きな金庫の上で、怪盗が脚を組んで座り余裕の笑み。中央は書類がはみ出したボストンバッグを肩にかけ、窓から軽やかに飛び出す怪盗。右は怪盗が先頭の家を片足でちょんと押し、家々がドミノ倒しのように倒れていく

泥棒に入られた会社に起きることは、大きく3つです。
止まる、漏れる、そして広がる。

止まる:家財を金庫に閉じ込める"立てこもり"

ランサムウェアは、データを暗号化して使えなくし、「元に戻したければお金を払え」と迫る手口です。盗んだデータを「公開するぞ」と重ねて脅すことも多く、REXTでは情報の一部がネット上に掲載されました。

京王グループでは、電車は動いていたのに、スーパーの一部で決済が、ホテルでは予約の受付が止まりました。被害の広がりを防ぐためにシステムを切り離すと、無事な仕事まで止まるんです。

被害は会社の大きさを選びません。調査や復旧に1,000万円以上かかった組織も、約6割にのぼります。

漏れる:名簿を持ち出される"持ち出し"

家財は無事でも、名簿を持ち出されることがあります。タイムズカーでは約160万件で運転免許証の画像などまで漏れ、親会社のパーク24の株価は一時4か月ぶりの安値になりました。

広がる:預けた合鍵から入られる

合鍵を預けた管理会社に入られたら、自分の戸締まりが完璧でも防げません。両毛システムズはガス会社などのデータを預かっていたため、大東ガス(約12.4万件)などの情報が漏えいした可能性があります。委託先を狙う攻撃は、IPAの10大脅威でも組織向けの2位です。

冒頭の例えに立ち返ってみましょう。泥棒が狙うのは、いちばん頑丈な扉ではなく、いちばん手薄な入り口です。それは古いままの勝手口かもしれないし、誰かの合鍵かもしれないし、取引先に預けた合鍵かもしれません。

そして、会社が止まったり漏れたりしたとき、最後に困るのは私たち利用者です。
後編では、暮らしへの影響と、自分の家の鍵のかけ方を見ていきます。


4. まとめ

  • 2026年8〜10月だけでも、小売、カーシェア、鉄道グループ、ガス会社、宿泊予約、飲食チェーン、アンケートサイトと、業種を問わず被害が相次いだ。

  • サイバー攻撃は、ハッカーの魔法ではなく"戸締まりのすき"を突く空き巣。
    入り口は3つ。
    ①古いままの勝手口(ソフトや機器の弱点)
    ②盗まれた合鍵(ID・パスワード)
    ③ニセの訪問者(フィッシング)。

  • 入られた会社に起きることも3つ。
    ①止まる(ランサムウェア)
    ②漏れる(情報の持ち出し)
    ③広がる(委託先を通じた被害)。


🛠️今日からできる2ステップ

Step 1:今日からできること

会社のPCの「更新して再起動」を、その日のうちに済ませる

古いままの勝手口を閉じるのは、情報システム部門だけの仕事ではありません。社員1人ひとりのPCも、会社の入り口の1つです。とはいえ、作業の途中で再起動の通知が出ると、つい「あとで」を押してしまいますよね。それなら、昼休みや退勤前など、PCを離れるタイミングに合わせて再起動するだけで十分です。いちばん手間が少なく、いちばん確実な戸締まりです。


5. FAQ

Q. 最近、なんでこんなにサイバー攻撃のニュースが多いの?
A. 被害そのものが増えています。2026年上半期のランサムウェア被害は半期で過去最多で、弱点を探る不審なアクセスも前年同期より5割ほど増えました。入られ方も、ソフトの弱点、委託先経由、アカウントの悪用などさまざまです。

Q. 身代金を払えば、元に戻るんじゃないの?
A. 払っても、データが元に戻る保証はありません。警察も、支払ったお金が犯罪グループの次の活動資金になるおそれがあると説明しています。

Q. うちみたいな小さい会社も、狙われるの?
A. 狙われます。2026年上半期に報告されたランサムウェア被害123件のうち、79件は中小企業でした。

Q. ニュースで流出した個人情報、自分のものだったら?
A. やることは3つあります。後編で、タイムズカーやGMOの事例をもとに、手順と注意点をまとめています。


🛠️ 次のステップ:

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📚 出典

統計・調査

各社の発表・報道(本文の登場順)

※2026年10月8日時点の情報です。


※AIツールの環境はめまぐるしく変化しています。本コンテンツの内容は2026年10月現在を起点とした実践と考察の記録です。仕様変更により情報の齟齬が生まれる可能性がある点はご了承ください。最新情報はコンテンツにて随時アップデートいたします。

※本記事は、当社の実践・研究と複数のAIクリエイターの検証結果や動向を参考に、ノンエンジニアのビジネスパーソン・クリエイター向けに構成したものです。

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